「ダメ」を「OK」に変える!中学生の要望スキルUP術

仕事

あれも欲しい!
これも欲しい!!
あそこに行きたい!!
あれをやってみたい!!
小学生から中学生になっても、いろんな事に興味津々。
欲しがったり、体験したがったりするのは、成長の証でもあります。
しかし、
父親、母親に頼んでも、全てが思い通りなるとは限りません。
相手が、先生や友達であっても、同じです。
なんと言えば「OK」になるのか?
上手に言えなくて、ダメと言われると、とても悔しいですよね。

この記事では、以下のような方々に向けて書かれています。
・中学生のみなさん:要望をきいてほしい
・保護者のみなさん:お子さんのコミュニケーション能力を伸ばしたい
・先生方:生徒との円滑な関係を築き、自律性を促したい
中学生が要望を通したいと思ったとき、相手とどのようにして話し、自分の気持ちを伝えたらいいのか?
実例を交えて、その具体的なスキルについてまとめました。

実例(校外学習準備編)

春の行事、校外学習

・学年集会で事前準備の説明がありました。
<生徒の要望>
① 持っていく現金を、値上げしたい
② 持ち物の学校指定かばんを、個人のリュックにしたい

・班活動(5人)の行動計画を話し合いました。
<○○さんの要望>
③ 観光地Aスポットでの滞在時間を延長したい
④ 観光地Bスポットを外したい

<要望の結果>
成功!!
① 持っていく現金を、値上げしたい

失敗!!
② 持ち物の学校指定かばんを、個人のリュックにしたい
③ 観光地Aスポットでの滞在時間を延長したい
④ 観光地Bスポットを外したい

なぜ①は成功し、②、③、④は失敗したのか??
成功と失敗には、必ず原因が存在します。
<原因>
・要望の理由が明確、客観的であること
・相手を尊重していること
・相手の考えていることを想像する

では、この原因について考えてみましょう。

ステップ1:数字で語る!明確で客観的な理由

成功
① 持っていく現金を、値上げしたい
生徒は、要望の理由として「昨今の物価上昇」を例にあげました。
これには先生も反論できません。
あれもこれも値上げの世の中、持参する現金も値上げせざるを得ません。
ただ、
付け加えるとすれば、
現在と1年前、2年前の消費者物価指数を比較して、どのくらい上昇しているかを数字で示せば、もっと明確になり、相手に正しく伝えることができます。
他にも、お土産の値上げ率など、数字で表せるものを調べるのも効果的です。
とにもかくにも、数字!!
これほどはっきりくっきりした理由は、他にないでしょう。
ポイント:個人の感情を排除する  

失敗
② 持ち物の学校指定かばんを、個人のリュックにしたい
③ 観光地Aスポットでの滞在時間を延長したい
④ 観光地Bスポットを外したい
生徒は要望の理由として、感情をあげました。
「だって、学校のカバンは、嫌だもん!!」
「観光地Aに、もっといたい!!」
「観光地Bは、つまんなそう!!いやだ~!」
個人の感想は、バラつきが大きいから、理由としては弱いですね。

改善するなら、
② 学校指定カバンと、個人のリュックの重さや、容量を比較する
③ 観光地Aでは何ができるのかを調べる
④ 観光地Bの情報を集めて、再検証する
ここでも数字で表せたら、明確な理由になりますね。

なぜ数字で表すと良いのか?

数字は最強の味方!!
感情は人によって解釈が異なるが、数字は普遍的な事実であり、誰もが納得しやすい共通言語だから

もちろん感情も大切!!
何をするか、行動の起点には、必ず感情が存在します。
そして、
この感情を数値化することで、行動の方向性や、行動するパワーを調整することができます。
失敗の可能性を減らす効果があるのです。
普段から、
値段、長さ、容量、時間、件数、重さ、人数…等、
何を数字に置き換えるかを意識しておくと、理由を明確にできます。

ステップ2:心を開く!相手を尊重する姿勢

成功した①に関しては、明確な理由が強すぎるため、理由だけで勝負はつきました。

失敗
② 持ち物の学校指定かばんを、個人のリュックにしたい
③ 観光地Aスポットでの滞在時間を延長したい
④ 観光地Bスポットを外したい
生徒があげた感情、
「だって、学校のカバンは、嫌だもん!!」
「観光地Aに、もっといたい!!」
「観光地Bは、つまんなそう!!いやだ~!」
ここには、自分の都合しかありません。
相手への配慮も敬意もなく、ただただ自己中心的な言い分のみ。
相手を尊重しないのに、自分が尊重されることは、ありません。
つまり、話し合いにならないのです。

尊重は、コミュニケーションの土台
相手に敬意や配慮を示すことで、話し合いの土台が出来上がります。
「この人は話を聞く姿勢があるな」と思ってもらうことで、自分の意見も聞いてもらえるのです。

では、どうやって相手へ尊重を伝えるのか?
それは、
「言葉づかい」と「聞く姿勢」

・言葉づかい
「です」「ます」で、丁寧な言葉づかいを心掛ける。
丁寧な言葉づかいで、自分が尊重されていると感じます。

・聞く姿勢
まずは聞く!!
「先生は、どうして学校指定のカバンがいいと思うのですか?」
「なぜ観光地Aの滞在時間がこれだけなのですか?」
「なぜ観光地Bがいいのですか?」
相手が答えたあとに、自分のターンです。
相手は意見を聞いてくれたので、自分の意見を聞いてくれます。

ステップ3:先を読んで提案!相手の事情を想像した解決策

・明確な理由
・相手への尊重
この2つをもってしても、自分の要求が通るとは限りません。
なぜなら、
相手には相手の事情があるからです。
例えば…
・相手の役割や立場:先生(生徒の教育、安全の確保)
          保護者(経済状況、子供の成長)
・過去の経験:生徒の要望でトラブルになった
・規則・ルール
・時間・予算

つまり、
相手の考えを想像し、それに対する解決策を提案することができれば、
自分の要望が一気に現実的なものとなります。

「察する力」が試される時です。
では、具体例を見てみましょう。

<② 持ち物の学校指定かばんを、個人のリュックにしたい>
相手(先生)の考えを想像してみると…
・安全性に心配なデザインのリュックがあるかもしれない
・管理のしやすさ(学校指定のカバンならば、置き忘れに気付きやすい)
・公平性(ブランドによって、マウントが起こるかもしれない)
など、先生側にたつとイメージしやすいです。
そして、解決策を考えましょう。
安全性を確保できるように、リュックの容量に制限をかける。
管理しやすくするために、目印となるものを全員のかばんにつける。
公平性を保つために、色の指定や、派手なロゴ、装飾がないものといったルールを設ける。
など、アイデアはまだまだ出てくるはずです。
他校はどうしているのかも参考になります。

<③ 観光地Aスポットでの滞在時間を延長したい>
相手(班の仲間)の考えを想像してみると…
・他のスケジュールや、移動時間、集合時間の兼ね合い
・予算(入場料など)を抑えたい
・生徒の集中力の低下(飽きる)
などが挙げられます。
では、解決策は、
観光地Aで、具体的に何をするのかを再検討し、所要時間を提示する。
観光地Aでの体験が予釣り合っているいるのかを再検討する。
飽きないように、見どころを提示する。

<④ 観光地Bスポットを外したい>
相手(班の仲間)の考えを想像してみると…
・観光地Bに行きたい人がいる
・移動時間や時間配分の都合上、観光地Bを外せない
などが挙げられます。
では、解決策はなんでしょうか?
・観光地Bの情報収集をして、再検討する。
・観光地Bの代わりになる候補地を提示する。
「つまんなそう」なんていう個人の印象のみを押し付けるのではなく、情報収集をして再検討し、客観的な視点で別の場所に変更する妥当性を訴えるのです。

まとめ:要望を通すための3ステップ

「ダメ」を「OK」に変えるためには、感情に流されず、冷静に、そして相手を思いやる心が重要です。
今回の実例から、要望を通すには3つのステップが見えてきました。
理由を明確に、客観的に伝える(数字の活用)
感情的な訴えではなく、具体的なデータや事実に基づいて話すことで、相手は納得しやすくなります。例えば、「なんとなく嫌」ではなく「過去のデータではこうだから」というように、数字を味方につけましょう。

相手を尊重する
丁寧な言葉遣いと、まずは相手の意見に耳を傾ける「聞く姿勢」で、信頼関係の土台を築きます。相手に「この子の話は聞く価値があるな」と思ってもらうことが、あなたの意見を聞いてもらう第一歩です。

相手の立場や状況を想像し、解決策を提案する
相手が抱えるであろう懸念や事情を事前に予測し、それに対する具体的な対策や代替案を提示することで、あなたの要望は一気に現実的なものになります。「〜だからできない」ではなく、「〜すればできる!」という解決策を一緒に考えましょう。

他人の考えを変えることなど、不可能です。
しかし、
変えるきっかけを作る事はできます。
今回の3ステップは、相手の考えを変える効果的な「きっかけ」となります。

大人になっても役立つ!一生ものの交渉スキル

中学生の時に「あれが欲しい」「ここに行きたい」と要望を伝え、時には「ダメ」と言われて悩んだ経験は、決して無駄にはなりません。ここで身につけた「相手に伝える力」は、大人になってからもあなたの大きな強みになります。

社会に出れば、仕事で企画を通したり、チームで協力してプロジェクトを進めたりと、自分の意見を伝え、相手と交渉する場面は数えきれないほどあります。今回学んだ「明確な理由の提示」「相手への尊重」「相手の状況を想像した解決策の提案」というスキルは、まさにビジネスの現場で求められる交渉術そのもの

中学生のうちにこのスキルを磨いておくことで、将来、あなたはきっとどんな困難な状況でも、自分の望みを「OK」に変えることができるでしょう。今の頑張りが、未来のあなたを強くします!

中学生時代の経験って貴重なんだな

この記事を書きあげながら思った事。
それは、
中学生時代に上手くいかなくて、悩んだり、悔しかったりした経験って、
とても貴重なんだなと、改めて思ったのです。
部活、勉強だけでなく、
記事の元にした校外学習準備の出来事という、
「ちょっとしたこと」が、
実は将来につながる濃厚な出来事だったとは!


現在、次女は中学生。
次女は学校の出来事を話してくれます。
楽しい事、嫌な事、嬉しい事、ムカつく事…
目まぐるしい毎日ですが、ムダなことはひとつもありません。
世の中の科学技術が進歩して、便利な生活を手に入れても、
経験の代わりにはならないのですね。

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