
道路で楽しそうに遊んでいる子供たちを見て、
どう思いますか?
「元気があって、にぎやかでいいな。」
と思う一方で、
道路は本来、車や自転車、人が通行するための場所です。
・交通事故の危険性
・近隣住民への迷惑
・法律違反
といったリスクを懸念する人も少なくないでしょう。
私は子供が外で遊ぶことは大切だと思いますが、
安全性の観点から、道路は遊び場ではないという認識を持つべきだと思います。
では、安全性が確保された道路なら、
遊んでも…いいの?
この記事では、
「比較的安全な道路で遊ぶ子供たち」へ、
私が実際に注意をしたエピソードをご紹介します。
道路で遊ぶ子供たちに困っている人:
・騒音や安全面で悩んでいる近隣住民
・自分自身も子育て中だが、道路で遊ばせることには反対で、周りの親の行動に疑問を感じている人
このような方の参考になれば幸いです。
なぜ道路は遊び場になってしまうのか?
私の家は住宅街の中にあり、
私の家の隣には狭い道路があります。
その道路の先には、家が少ないため車通りがほとんどありません。
なので、
子供たちにとっては、比較的安全に遊べる道路なのです。
安全な道路で、
私の娘(小学生)と、女子友達、近所の小さな子たちが、
いつも仲良く遊んでいます。
縄跳び、鬼ごっこ、シャボン玉…
穏やかな遊びで、キャッキャと楽しそうです。

「静かな道路」が一転、騒がしい遊び場に
ある日、娘と同学年の男子達が5人ほどやってきました。
たまたま通りかかったのでしょう。
「俺らも遊ぶ~。」
男子達は野球のボールで、キャッチボールを始めました。
そして、どんどんと場所を占領しだしたのです。
女子達はだんだんと追いやられ、遊ぶことができずに、
道路の端で、困った顔で見守るのみです。
「パーン!!…パーン!!」
グローブでボールをキャッチする音、
「ギャハハハッ!!ナイスー!!」
「ギャハハ!へたくそ~!!!」
男子達の大声。
静かな道路が、一気に騒がしくなりました。

うるさっ!!!
他にも、道路沿いには隣家の駐車場があるため、
野球ボールが車に当たるのではないかと、ハラハラしました。
注意するべきなのですが、
いきなり注意することに躊躇してしまい、
とりあえず、様子をみることにしました。
しかし、
良くなることはなく…
男子達は我が物顔で、翌日も、翌々日も来ては、
近所迷惑な遊び方をするのです。
他所の子に注意する?子育て中の私が葛藤した理由

他所様の子供を注意できますか?
男子達の遊び方は、
・騒がしい
・ボールが車や家の壁や窓に当たり、壊す危険がある
という点で、度を越していたため、
注意する必要があると思いました。
ここで問題なのが、
「他所様の子供を注意できるのか?」

誰だか知らん子を、注意!?
いややわ~!!
誰だか知らん子だから、
・逆ギレする子だったらどうしよう
・注意された子の親はどんな人だろう
・その子の親との関係性はどうなるんだろう
と、「余計なトラブルは避けたい」という心理が働きました。
しかし、
私が「うるさい」と思っているのなら、
近隣住民も「うるさい」と思っているかもしれない。
物を破損してしまってからでは遅い。
そして、なにより、
女子達、小さな子が困っている。
そうして、私は男子達に注意することに決めました。
子供たちに伝えた「想像してみよう」という魔法の言葉

みんな~!!
しゅう~ご~う!!
道路にいる全員に向かって、
私は努めて明るく、集合の声をかけました。

わぁ~!
ひざっこママだぁ~!!
なになに~??
男子達、女子達、小さな子達、全員で15人くらい。
子供たちが私のもとに、かけてきました。
ひざっこママから、みんなに伝えたいことがあります。
ここは、公園ではありません。
みんなが遊んでいるこの地面は、道路です。
車や自転車、歩行者が通るところ。
遊ぶところではありません。
でもここは、車通りが少ないから、道路の中でも安全なほう。
だから、私は遊んでもいいと思うよ。
ただ、ここは公園ではない。
ここは住宅地、つまり生活するところ。
なら、何に注意すればいいかな?

車が来たら、よける~。
おもちゃを片付ける~。
そうだね、車に注意しなくちゃいけないね。
あと、
さっきも言ったけど、ここは住宅地なんだよ。
この家も、その家も、家の中には住んでいる人がいるよ。
もしかしたら、病気で辛くて寝ているかもしれない。
お仕事が終わって、疲れて休憩しているかもしれない。
静かに勉強したい人がいるかもしれない。
おもしろいテレビを集中して楽しみたいのかもしれない。
みんなが、ここで大声で騒いだら、
その人たちは、どう思うのかな?
きっと、「うるさい!!」って思うんじゃないかな?

…うん。
そう、迷惑なんだよ。
あと、男子達はキャッチボールをしているけど、
ボールが車や家に当たって、へこんだり割れたりするかもしれないね?

俺は、野球チームに入っているから大丈夫!!
確かに、あなた達、上手だね。
じゃあ、
野球チームに入っている人は、
失敗しないっていうこと?
絶対に?
あなたは? あなたは?
今まで失敗したことないの?
必ず、100%自分の思うように投げることができるの?

ええっと…。
あなたたちは確かに上手だよ。
でも、上手になるまで、たくさん練習して、
たくさん失敗したんじゃないの?
上手になったけど、今のあなたたちはプロ野球選手と同じレベルなの?
二度と失敗しないと、果たして言えるのかな?

…。
では、ボールが私の家の窓に当たって、割れました。
どうすればいいでしょうか?

弁償する~!!
そうだね、弁償しなくちゃいけないね。
でも、半分正解かな。
ねぇ、弁償…お金を払うと、この窓は直るの?
私がお金を受け取れば、勝手に窓は直るの?
どうやったら、窓は直るの?接着剤でくっつけるの?
私はできないよ?

修理屋さんに頼めばいいと思う。
そうだね、修理屋さんに頼めばいいね。
で、誰が頼むの?
あなたのお母さんが頼むの?
あなたのお母さんは、私の家の窓ガラスのサイズや、番号を知っているかな?
知っているわけないよね。
修理屋さんに頼むのは、私だよ。
家の窓ガラスを壊されたのに、私が頼まなくちゃならないんだよ。
そして、頼んだら、
いつ窓ガラスは直るの?
直るまでどれくらいかかるんだろう。
それまで、どうすればいいの?窓壊れたままだけど。
段ボールを貼り付けて、ガムテープをベタベタ貼って。
壊した人は、お金払って終わりなんて、楽でいいね。
壊された人は、大変だよね。
どう?
弁償して、終わりだと思う?

…。
私は、ここで遊んではダメとは言わない。
けれど、遊び方は考えなくちゃいけないよ。
ここはどんな所?
誰がいる?
誰と遊ぶ?
人の気持ちや、自分のしていることがどうなるのか…。
さぁ!
想像してみよう!!
それができる人は、
みんなで仲良く、楽しく遊ぼうね。

はぁ~い!
ふう~…子供相手とはいえ、緊張した~。
その後、男子も女子も小さな子達も、仲良く遊んでいました。
ですが、
男子達は物足りないようで、
翌日から姿を現しませんでした。

この経験が教えてくれた「子供の想像力」を育む大切さ
子供たちに注意した私は、その後、大きなため息が出ました。
誰だか知らない、他所様の子を注意するのは、
あまり良い気分ではありません。
けど、
何度考えても、今回は注意する必要がありました。
今回の注意で、子供たちに「気付き」があれば幸いです。
「想像してみよう」が子どもたちに伝わった瞬間
一歩踏み込んで考えることで、見えてくるものがある。
だから、納得できる。
だから、行動できる。
せっかく注意するのなら、
子供たちにしっかり理解してもらいたかったのです。
そのためには、「納得」が必要でした。
「ダメといったらダメ!!」
というのは簡単なのですが、納得がなければ同じことを繰り返してしまいます。
納得させるために、
「自分事」として想像するように促しました。
・近隣住民の気持ち
・物を壊された側の気持ち
特に「壊れたら弁償する」の部分では、より深く想像することができたのではないかと思います。
「弁償」という言葉だけを使った子供たちにとって、
その言葉の裏には、びっしりと手間・面倒・迷惑がくっついて見えたことでしょう。
子供たちに、どれくらい伝わったか、測ることはできません。
ですが、男子達が来なくなったという事は、
想像した結果の行動なのだと思います。
道路で遊ぶことは「悪」ではない。でも…
私は、子どもたちが外で元気に遊ぶことは素晴らしいことだと思っています。
だからこそ、道路で遊ぶこと自体が「悪」だとは言いたくありません。
問題なのは、周囲への配慮がない遊び方です。
車や通行人に注意を払い、静かに遊ぶ。
これができれば、車通りの少ない道路は、子どもたちにとっての貴重な遊び場になり得ます。
公園や広場が近くにない地域では、なおさらです。
今回の出来事は、道路が持つ二つの顔を私に改めて教えてくれました。
一つは車や人が通る「生活の場」。
もう一つは、安全に配慮すれば「遊び場」にもなりうる場所。
このバランスを考えることが大切です。
さいごに:私たち大人ができること
自分の子供が他所で何をしているか?
もしかしたら、迷惑なことをしているのかもしれません。
親がずっと監視する訳にもいかないため、
子供自身が想像する力をフル活用して、
迷惑な行動をしないようにしなければならない。
でも、子供なので想像する力は発達途上。
だから、私達大人は、その想像する力を育む手助けをする必要があると思いました。
そして、想像する力が子供たち自身を危険から守り、
地域との健全な関係を築くのだと思います。
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